「良佑、君のことはよく分かっているよ」と言った”立場ある教師”は、一度足りとも私に対して理解のない教師を咎めたり、私の肩を持つたりすることはなかった。私はここから大切なことを学んだ。「よく分かっている」人は「よく分かっている」ことをわざわざ示したりする必要はないのである。
卒業を前に礼拝の場で「教師の振る舞い」を批判する機会を持った。これに教師たちは大いに怒っていたと聞く。しばらくして先述の”立場ある教師”から「応接室」に呼ばれる。彼は「俺は良佑が卒業してからこれが教育の成果だ、と言いたかった。先生方も関わり方を見直すべきだ、と言える絶好のタイミングだったのに」と言う。
どうも私は教師の「研修プログラム」だったようだ。生徒を「モノ」化する教師には徹底的に抗っていきたい。